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TO不定詞

TO不定詞とは?

「TO不定詞」というのは分かりにくい文法用語だと感じます。何が不定なのかよくわかりませんね。

要するに、動詞の原形の前に「to」を付けたもの、ただそれだけのことです。(以降、「to + 動詞の原形」と言い換えることがあります。)

TO不定詞の用法

「TO不定詞には3つの用法があります。」

  • 名詞的用法
  • 形容詞的用法
  • 副詞的用法

TO不定詞の名詞的用法

「to + 動詞の原形」が「~すること」を意味するとき、これを「名詞的用法」と呼びます。

基本的には、名詞が使える箇所ならどこでも使えます。

仮主語構文

TO不定詞の名詞的用法では、名詞が使える箇所ならどこでも使えますが、実際には主語としてTO不定詞を使うことはまれです。

To walk about the cabin is safe now . △

その代わりに、次のように「仮主語構文」を使うことが多いです。

It is safe to walk about the cabin now. ◎

あるいは動名詞を使うことが多いです。

Walking around the cabin is safe now. ◎

なお、仮主語構文は、「It is 形容詞 to V」の形で使わることが多いですが、「It V to V」の形も使えます。

It never hurts to try.

TO不定詞の形容詞的用法

TO不定詞を名詞の後ろに付けて名詞を修飾する用法です。

このとき、名詞とTO不定詞の関係は3パターンあります。

  • 名詞が主語(S)で、TO不定詞が名詞の動詞(V)
    a friend to help me
  • 名詞が目的語(O)で、TO不定詞が主文の動詞(V)
    a place to visit
  • 名詞とTO不定詞が同等の関係
    time to study ※考え方によっては名詞的用法とも取れる。

次の2つは意味が変わってくるので注意してください。

  • I want someone to trust me. 私を信頼してくれる人が欲しい。
  • I want someone to trust. 信頼できる人が欲しい。

something, anything, nothing 等を形容詞で修飾する場合、形容詞は前ではなく後ろに付けます。

  • new something ×
  • something new ○ 新しい何か

これをさらに「TO不定詞」で修飾する場合、形容詞の後ろに「TO不定詞」を続けます・

  • something new to read. 何か新しい読むもの

名詞が前置詞の目的語となる場合、前置詞が異なると意味が変わってきます。

  • I need something to write with. 何か書くもの(道具)が必要だ。
  • I need something to write in. 何か書くもの(用紙)が必要だ。
  • I need something to write about. 何か書くもの(題材)が必要だ。

同格関係で使われる抽象名詞

plan / need / wish / promise / decision / ability / attempt / intention / tendency /

time / chance / opportunity / place / way / money / 等

同格関係での前置詞について

  • Do you have the money to buy such an expensive item? ◎厳密には文法的に正しくないかもしれないが一番自然
  • Do you have the money to buy such an expensive item with? ×文法的には正しいが不自然
  • Do you have the money with to buy such an expensive item? ○withを付ける場合は、「to不定詞」の前に持っていくのが自然

TO不定詞の副詞的用法

副詞的用法は大きく次の7つに分類されます。

  1. 目的「…するため」
  2. 結果「その結果…だ」
  3. 感情の原因
  4. 判断の根拠
  5. …する点において①
  6. …する点において②
  7. 仮定法の条件

TO不定詞の副詞的用法は色々なバリエーションがあり範囲が広大なため別ページにまとめています。 ☞TO不定詞の副詞的用法

TO不定詞の意味上の主語

TO不定詞の主語と、主文の主語が異なる場合、TO不定詞の前に「for TO不定詞の主語」と言う形で主語を明確にできます。これを意味上の主語と呼びます。

  • His mother’s constant nagging made him reluctant to go home.
    彼の母親の絶え間ない小言が彼を家に帰るのを渋らせた。
  • My brother’s singing in the shower can be heard evry morning.
    兄がシャワーを浴びながら歌う声が毎朝聞こえる。

TO不定詞の意味上の主語は、名詞的用法に限らず、形容詞的用法、副詞的用法でも使用できます。

  • There is hardly any chance for ordinary fans to meet soccer players in Seria A.  (形容詞的用法での例:「ordinary fans」が意味上の主語)
  • I stepped aside for the woman to pass. (副詞的用法での例:「the woman」が意味上の主語)

動名詞の意味上の主語と比較しておきます。

TO不定詞 動名詞
意味上の主語 for 目的格 to 動詞 (所有格または目的格) Ving

    TO不定詞の意味上の主語を「of」で表すケース

    「あなたが…するなんて…だね」を表す場合は、「for」ではなく「of」を使います。

    It is 人の性質を表す形容詞 of 人 to …

    これに該当する形容詞は下記のようなものがあります。

    ※下記のリストを覚える必要はありません。「あなたが…するなんて…だね」を表す場合に「of」を使うとだけ覚えておきましょう。

    kind / nice / good / sweet / smart / wise / intelligent / clever / sensible / conscientious / responsible / thoughtful / brave / polite /

    careless / thoughtless / foolish / absurd / stupid / silly / rude / bad / cruel / mean / selfish / ignorant / irresponsible /

    TO不定詞の否定

    TO不定詞 → not TO不定詞 TO不定詞の前にnotを付けます。

    ただし、「~しないように」の意味では「not to」は使えません。代わりに「in order not to」等を使います。(careful / take care / sure 等の後に続けて熟語的に使う場合は「not to」可能です。)

    • I left home early not to be late for school. ×
    • I left home early in order not to be late for school. ◎
    • Be careful not to be late for school tomorrow. ◎carefulとともに使っているのでOK

    分割不定詞

    • TO不定詞の否定は「not to 動詞の原形」が原則だが、「to not 動詞の原形」も見受けられる。
    • 「to + 動詞の原形」が大原則だが、間に副詞が挟まることがある。この形は分割不定詞 あるいは 分離不定詞と呼ばれ、特に口語で多用されます。厳密には文法違反かもしれませんが、広く受け入れられている形ですので、もはや正式な文法と考えたほうがよいです。
      • She decided to quickly finish the report before the meeting.
        彼女は会議前にそのレポートを素早く仕上げることに決めた。
      • He seems to really enjoy playing tennis on the weekends.
        彼は週末にテニスをすることを本当に楽しんでいるようだ。

    完了不定詞

    TO不定詞の完了形のことです。「to + have + 過去分詞」で表します。

    TO不定詞は原則、主文と同じ時制を表します。「完了不定詞」はTO不定詞の時制がが主文より過去であることを示すために使われます。

    • Sorry to have kept you waiting. お待たせしました。(=謝っているのは今、待たせたのは過去。)

    ただし、実際には次のように表現されることが多いです。

    • Sorry to keep you waiting. お待たせしました。(=上記よりやや軽い感じがする。)

     

     

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